よこやま
横山

冒頭文

賢島(かしこじま)から電車に乘つて、暫く來たと思つたところで降りることになつた。今日は横山(よこやま)といふところに泊るといふ日程であつたので、これからその横山に行くことになるのであらうと思はれた。朝は船越(ふなこし)村で海女の作業を見、それから多徳(たとく)島で御木本翁に會ひ、それから賢島から電車に乘つてここまで來たので、もう大分遲く日は西に傾いてゐた。 これから山に登るらしいのでそろ〳〵と

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「ホトトギス」1948(昭和23)年9月号

底本

  • 現代紀行文學全集 第四卷 西日本篇
  • 修道社
  • 1958(昭和33)年4月15日