けいらくにっき
京洛日記

冒頭文

前書 十年前に金澤にゐて京都の寺を見に出かけようとして、芥川龍之介君に手紙を出してその話をすると、簡單な京案内のやうなものを書いて呉れた。文庫からその手紙を取り出して見ると卷紙一間くらゐに、お土産まで細心に注意して書いてあつた。「京都の宿は三條木屋町上ル中村屋といふ家へとまらるればよからん 家はきたなけれど加茂川叡山の眺めよろし 茶代は一週間十圓か十五圓にてよろし それより下はやつてもそれより上は

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「隨筆集 「文藝林泉」」中央公論社、1934(昭和9)年5月23日

底本

  • 現代紀行文學全集 第四卷 西日本篇
  • 修道社
  • 1958(昭和33)年4月15日