ぜにがたへいじとりものひかえ 287 ちぬられたしゅうげん |
| 銭形平次捕物控 287 血塗られた祝言 |
冒頭文
發端篇 一 「親分、大變ツ」 八五郎の大變が、神田明神下の錢形平次の家へ飛び込んで來たのは、その晩もやがて亥刻半(よつはん)(十一時)近い頃でした。 「何んだ八、お前の大變も聞き飽(あ)きたが、夜中は近所の衆が驚くから、少しは遠慮をしてくれ」 これから寢ようとしてゐた平次は、口小言を言ひながら格子戸(かうしど)を開けてやります。 「それどころぢやありませんよ、大變も唯の大變ぢやねえ。お膝元の
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「キング」1952(昭和27)年
底本
- 錢形平次捕物全集第三十九卷 女護の島異変
- 同光社
- 1955(昭和30)年1月15日