ぜにがたへいじとりものひかえ 225 にょごのしまいへん
銭形平次捕物控 225 女護の島異変

冒頭文

一 「親分、面白い話がありますよ」 お馴染のガラツ八こと八五郎、髷節(まげつぷし)へ赤蜻蛉(あかとんぼ)を留めたまゝ、明神下の錢形平次の家へ、庭木戸を押しあけて、ノソリと入つて來ました。庭一パイの秋の陽に、長んがい影法師を泳がせて、この上もなく太平無事な姿です。 「髷節を赤蜻蛉(あかとんぼ)の逢引場所にしてゐるやうな野郎だもの、この世の中が面白くてたまらねえことだらうよ」 平次は腰から下だけ椽側

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「小説世界」1950(昭和25)年1~5月

底本

  • 錢形平次捕物全集第三十九卷 女護の島異変
  • 同光社
  • 1955(昭和30)年1月15日