ぜにがたへいじとりものひかえ 331 はなよめのげんそう
銭形平次捕物控 331 花嫁の幻想

冒頭文

一 錢形の平次は、椽側の日向(ひなた)に座布團を持出して、その上に大胡坐(おほあぐら)をかくと、女房のお靜は後ろに廻つて、片襷(かただすき)をしたまゝ、月代(さかやき)を剃(そ)つて居りました。 八五郎は少し離れて、頬杖を突いて足を投げ出し、お先煙草を立てツ續けに燻(いぶ)して、これも引つきりなしに、無駄の掛け合ひをして居ります。 「お願ひだから八五郎さん、その冗談は止して下さいな。今丁度

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「主婦と生活」1954(昭和29)年4月~6月

底本

  • 錢形平次捕物全集第三十五卷 花嫁の幻想
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年11月15日