しいのみ
椎の実

冒頭文

私は淋しがり屋と云はれてその時はいやだつたが、考へて見るとさう云はれても又仕方がないことでもあつた。友達などに会つてゐると、別れたあとの淋しさがいやで、知らぬうちに一生懸命なんとかしてと引留め策を考へてゐるのである。だから人中にゐる間ぢゆう淋しがりやであるのは本当で、人にさう感じられるのも仕方ないことである。 私は時折句を作りに奈良の森林へゆく。大抵ひとりだからあまり奥へは行けず、近くで

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 花の名随筆11 十一月の花
  • 作品社
  • 1999(平成11)年10月10日