しだんへのほうふ
詩壇への抱負

冒頭文

今までの詩(新体詩)は熱つぽいと思ふ。それはつまり様々の技法論が盛んで、分析的な気持が強かつたからであると思ふ。私は今度はじめてさういふ気持を味はつた。つまり子供の時のやうな気持に帰つた。つまり水が低きにつく如く、花がひそやかであるが如き気持がなければ、詩は駄目だと思つた。さういふ気持になるには、己を空(むなし)うせねばならない。 あまりに自我の強い芸術は、無意識、つまり法悦的境地を欠くから、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「都新聞 第一七六四五号」1936(昭和11)年12月22日

底本

  • 新編中原中也全集 第四巻 評論・小説
  • 角川書店
  • 2003(平成15)年11月25日