うみのし ひととうみ |
| 海の詩 ――人と海―― |
冒頭文
こころまゝなる人間は、いつでも海が好きなもの! これは、ボオドレエルの「人と海」といふ詩の、第一行である。海と聞くたびに、海を見るたびに、この歌を思ひ出すから、以下私は此の詩を辿り乍ら、「海の詩」といふ課題を果さう。然し何も、此の詩を解説しようといふのではない。此の詩を辿り乍ら、この稿を書いてゐる今、色々と心に浮ぶことを、何の反省をも加へずに、唯々書誌してみたいと思ふ。 第一行を読んで、先
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文芸」1936(昭和11)年9月号
底本
- 新編中原中也全集 第四巻 評論・小説
- 角川書店
- 2003(平成15)年11月25日