やぎのげん |
| 山羊の言 |
冒頭文
芸術に関するあらゆる議論は無用である。 ピカソ 当今、我々は落付いてはゐない。一日外出して、我々の抱いて帰る印象は雑然として、而も果敢ないものである。 かうしたことの原因を、或人は経済的必迫に於て観るし、又或人は、生活様式の激変に於て観る。其の他色々あらう。色々あるどころか無数にあつて、空気中のオゾンの量に因ると考へる人だつてないとは云へぬ。 然し、今仮りにその原因がシカと答解されたとして
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文芸通信 銷夏特輯号」1936(昭和11)年8月
底本
- 新編中原中也全集 第四巻 評論・小説
- 角川書店
- 2003(平成15)年11月25日