ぜにがたへいじとりものひかえ 226 めいがふんしつ
銭形平次捕物控 226 名画紛失

冒頭文

一 「八、大變なことがあるさうぢやないか」 江戸開府以來と言はれた、捕物の名人錢形平次は、粉煙草(こなたばこ)の煙りを輪に吹きながら、いとも寛々たる態度で、飛び込んで來た子分の八五郎に、かう浴びせるのでした。 あわて者の八五郎、一名ガラツ八は、平次のためには『見る眼嗅ぐ鼻』で、その天稟(てんぴん)の勘を働かせて、江戸中のニユースを嗅ぎ出して持つて來るのですが、生憎なことに今日は恐ろしい不漁(し

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「キング臨時増刊」1950(昭和25)年

底本

  • 錢形平次捕物全集第二十九卷 浮世繪の女
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年7月15日