ぜにがたへいじとりものひかえ 194 しょうべんぐみていじょ
銭形平次捕物控 194 小便組貞女

冒頭文

一 「親分、小便組(せうべんぐみ)といふのを御存じですかえ」 八五郎は長んがい顎を撫でながら、錢形平次のところへノソリとやつて來ました。 いや、ノソリとやつて來て、火のない長火鉢の前に御輿(みこし)を据ゑると、襟元から懷手を出して、例の長いのを撫で廻しながら、こんな途方もないことを言ふのです。 「俺は腹を立てるよ、八。まだ朝飯が濟んだばかりなんだ、いきなりそんな汚ねえ話なんかしやがつて」 平

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「面白倶樂部」1948(昭和23)年11月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第二十九卷 浮世繪の女
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年7月15日