ぜにがたへいじとりものひかえ 157 むすめのやくめ |
| 銭形平次捕物控 157 娘の役目 |
冒頭文
一 「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで——」 ガラツ八と異名(いみやう)で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦(まんえつ)を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤(あご)を撫で廻すのでした。 相手になつてゐるのは、江戸開府以來の捕物の名人と言はれた錢形の平次、まだ三十そこ〳〵の苦
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 錢形平次捕物全集第十六卷 笑ひ茸
- 同光社磯部書房
- 1953(昭和28)年9月28日