ぜにがたへいじとりものひかえ 099 おしのしまい
銭形平次捕物控 099 お篠姉妹

冒頭文

一 話はガラツ八の八五郎から始まります。 「あら親分」 「——」 「八五郎親分」 素晴らしい次高音(メツオ・ソプラノ)を浴びせられて、八五郎は悠揚(いうやう)として足を止めました。意氣な單衣(ひとへ)を七三に端折つて、懷中(ふところ)の十手は少しばかり突つ張りますが、夕風に胸毛(むなげ)を吹かせた男前は、我ながら路地のドブ板を、橋がかりに見たてたい位のものです。 「

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 錢形平次捕物全集第十六卷 笑ひ茸
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年9月28日