わかれじも
別れ霜

冒頭文

第一囘 莊子(さうし)が蝶(てふ)の夢(ゆめ)といふ世(よ)に義理(ぎり)や誠(まこと)は邪魔(じやま)くさし覺(さ)め際(ぎは)まではと引(ひき)しむる利慾(りよく)の心(こゝろ)の秤(はかり)には黄金(こがね)といふ字(じ)に重(おも)りつきて増(ま)す寶(たから)なき子寶(こだから)のうへも忘(わす)るゝ小利(せうり)大損(だいそん)いまに初(はじ)めぬ覆車(ふくしや)のそしりも我

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「改進新聞」1892(明治25)年3月31日~4月10日、4月12日、14日~17日

底本

  • 樋口一葉全集第一卷
  • 新世社
  • 1942(昭和17)年1月30日