せいどうのちかくをすぐる |
| 聖堂の近くを過ぐる |
冒頭文
ポプラの梢の空高く大空を指さして厳かな聖(きよ)き自然の力を表わす幹はだの荒くれた並木の下にヘブライ文化の主流であるキリスト教の教会堂が建っている私は毎日その近くを過ぎるそして神秘な古典の物語りを思い出し、ありし昔(かみ)の日の幾多重ねた争闘の人間に与えし歴史を憶う……人間と言う極まりない霊魂の所有者はかくして永遠に血を浴びて闘わねばならないか宇宙の覆滅人類の滅亡ああその日までどんな歴史を作るであ
文字遣い
新字新仮名
初出
「旭川新聞」1924(大正13)年3月29日
底本
- 今野大力作品集
- 新日本出版社
- 1995(平成7)年6月30日