ほっかいのよる
北海の夜

冒頭文

1 旗がしきりにゆれているハタハタと、又ハタハタと時には風が吹いて来てゴトンと音を立ててゆく外はほんとに暗いのだ自分よ、或る夜の事を思い出せそしてぞうっと身ぶるえ((ママ))せ今夜の雪は青白いすごい黒さが沁みている 2 海の妖婆が踊るよな暗い恐ろしい夜となる日本海と太平洋の沖の方に何か変りはないだろうか。海辺の街の病める友はこんな夜なら寂しかろう母がはなれているのさい((ママ))悲しくなって来るだ

文字遣い

新字新仮名

初出

「白楡 第二十五号」1923(大正12)年8月

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日