よしおさん
義男さん

冒頭文

義男さんよなぜそんなに考えてるの一生懸命だね何を読んでいるの……ああそうか「死線を越えて」かおもしろいかねいえなあに借りて来て読んでいるんですよ此頃は歌はどうです沢山書いているでしょういえなあに駄目ですよさっぱり此頃は書けませんし出来ないしわたしももうよしているしああそう言われた義男さんが終(つい)に亡くなられた私と同じ局にいてもいつもおとなしく少しも高ぶらない君がいつもこっそり本を読んで暇などは

文字遣い

新字新仮名

初出

「青い果第三輯」1922(大正11)年9月

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日