うずもれたげんそう
埋れた幻想

冒頭文

慰める様な ぬるい南風に衣をなびかせ なびかせ大地の精が臥している小高い丘の殺風景な(けれども希望に輝いた)処で大地の精はつぶやいているああ古風な幻想よ大地は忍従の革命家秋を送り冬を迎え 地上すべて荒廃に帰せしめ殺した大地の世界から生命を呼び ま夏の新緑あふるる青さを生む(かくて神話の世紀から幾代の力を創った事か)丘は今安らかな暁方(あけがた)の眠りを求める朝早く営舎を出でて美しい若い兵士がゆく日

文字遣い

新字新仮名

初出

「旭川新聞」1924(大正13)年7月28日

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日