ぐんぷくをきたひゃくしょうげんぞうのじょたい
軍服を着た百姓源造の除隊

冒頭文

「おお源造よ 帰って来たか」つまごをはき、雪路を踏んで、馬橇の上で別れて行ったあの日、「俺あクジ逃れだ、俺には只一人のお母がいる、お母はおいぼれ……」「でも源造よ、お上はお前や俺等のために、どうにもなんめいぞ、誰ぞと代って下されと、あれ程ねがったんだに 仕方のねい世の中だ 諦められない世の中よ そんだば、元気で行ってこう 源造よ、元気でだぞお!」 戦争におびやかされ戦争は明日にもある

文字遣い

新字新仮名

初出

「プロレタリア 創刊号」1930(昭和5)年十二月号

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日