たかまどにみえるあおぞら ……(ブタばこにて)……
高窓に見える青空 ……(ブタ箱にて)……

冒頭文

小さな高窓高窓に見える青空この青空に走っている無数のラジオの声ブル共はそのラジオで相場の上下を語り奴隷の歌をうたわせながら満洲パルチザンの活動に驚愕のニュースを飛ばし国際聯盟の脱退を問題にしているだろう、だが、それよりおれたちのこの小さな高窓に見る青空にはすべての日にあのモスクワのコミンターン(国際共産党)の大放送塔からおれたちプロレタリアのために闘う世界中の同志の耳へ輝きにみちた勝利のニュース中

文字遣い

新字新仮名

初出

「文学新聞」1932(昭和7)年5月15日

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日