へいしのつな |
| 兵士の綱 |
冒頭文
「引け!」イチニ、イチニ、イチニ雨が降る秋に降る冷たい雨、落葉を叩く頬を打つ流してはならぬ涙の様イチニ、イチニ、イチニ中途でぐうんと引かかる、よろ、よろ、よろ、重たいゆるがぬ万億の重量「止まれ!」班長、ちっとあおそすぎないか六人の肩に絨衣(じゅうい)を通して肩に割り込む兵士の綱グレンの代りに使われる架橋工事の兵士達雨の中、川をこいで綱を引く「初め!」イチニ、イチニ、イチニするすると上がってゆく材料
文字遣い
新字新仮名
初出
「北海日日新聞」1928(昭和3)年
底本
- 今野大力作品集
- 新日本出版社
- 1995(平成7)年6月30日