船腹の色のはげ落ちた惨(みじめ)さは遠く波濤とたたかって来た今は疲労になやんでぐったりと体を伸べたようないたわりの心を感ずる廃船のようではないか英蘭(イングランド)の旗を船尾に立てて見れば船員が二三人甲板に出て立っているあの船員の眼は碧く頭髪(かみ)は褐色に染み彼ら異邦を航海する人々雪降り暮るる港にあり