むぎやきのひ
麦やきの日

冒頭文

人手なき独り者治兵衛の麦はせに飛火して燃えうつり泡を喰った治兵衛は麦束もて火を叩く風つのり火はさかり麦はせは凡て燃え治兵衛は大火傷やけどした六十男治兵衛はわめきつつこげのこる麦の穂をかき集めかき集めかなしさと痛さとに大声で泣きわめく 一九三四・六

文字遣い

新字新仮名

初出

「文化集団」1934(昭和9)年8月

底本

  • 今野大力作品集
  • 新日本出版社
  • 1995(平成7)年6月30日