ぼうしゅんししゅう 02 ぼうしゅんししゅう
忘春詩集 02 忘春詩集

冒頭文

佐藤惣之助兄におくる 忘春詩集序言 この詩集がはしなく忘春と名づけられたのも、今から考へると何となく相応しいやうな気がする。さまざまな大切なものを忘れて来たやうで、さて気がついて振り返つて見ても何ひとつ残つてゐないやうな私には、この忘春といふ美しい織物の裏地をさし覗くやうな文字のひびきからして、しつくりと私の心からゑぐり出したもののやうに思へる。私ばかりではなく誰人でも

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 抒情小曲集・愛の詩集
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1995(平成7)年11月10日