地は定形(かたち)なく曠空(むなし)くして黒暗(やみ)淵(わだ)の面にあり神の霊水の面を覆ひたりき ——創世記黒暗(やみ)の潮 今満ちて晦冥の夜(よる)ともなれば仮構の万象そが閡性を失し解体の喜びに酔ひ痴れて心をのゝき渾沌の母の胸へと帰入する。窓外の膚白き一樹は扉(とぼそ)漏る赤き灯(とぼし)に照らされていかつく張つた大枝も、金属性の葉末もろ共母胎の汚物まだ拭はれぬ孩児(みどりご)の四肢の相(すが