たばこのうた
煙草の歌

冒頭文

阪を上りつめてみたら、 盆のやうな月と並んで、 黒い松の木の影一本…… 私は、子供らが手をつないで歌ふ 「籠の鳥」の歌を歌はうと思つた。 が、忘れてゐたので、 煙草の煙を月の面(おもて)に吐きかけた。 煙草は 私の 歌だ。

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日