ねつじょうてきなフーガ
熱情的なフーガ

冒頭文

七月の日光の 多彩なるアラベスク。 七月の日光の 覆(くつがへ)された坩堝。 白昼の星より 女人(によにん)の肉(しゝむら)は墜つ。 このロコヽ宮殿の 脚を断て。 赭(あか)き肉(しゝむら)は 宙宇に倒(さかしま)なり。 大理石(なめいし)の噴泉の 脣を噛め。 多彩なるアラベスク。 覆された坩堝 立ちならぶ電柱は 火を発す。

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日