しょうか
頌歌

冒頭文

鋼(はがね)の波に  アベラール沈み 鉛の艫(とも)に  エロイーズ浮む 骸炭は澪(みを)に乗り 直立する彼岸花を捧げて走り 『死』は半ば脣(くち)を開いて 水を恋ひ また 燠(おき)を霊床(たまどこ)とする すべては 緑礬のみづ底に息をつく 象牙球(だま)の腹部の内(うちら)側に

文字遣い

新字旧仮名

初出

「山繭 第四号」1925(大正14)年3月

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日