がかのごご
画家の午後

冒頭文

雪解けの午後は淋し 砂利を噛む荷車の 轍の音(ね)遠くきこえ 疲れ心地にふくみたる パイプの煙をのゝく 室ぬちは冬の日うすれ 描きさしのセント・セバスチアンは 低くためいきす。 電燈のとぼるを待ちつ われは今 わが心の洞(うつろ)を眺む。

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日