おうががっしょう
横臥合掌

冒頭文

病みさらぼへたこの肉身を 湿りたるわくら葉に横たへよう わがまはりにはすくすくと 節の間(ま)長き竹が生え 冬の夜の黒い疾い風ゆゑに 茎は戛々の音を立てる 節の間長き竹の茎は 我が頭上に黒々と天蓋を捧げ 網目なすそのひと葉ひと葉は 夜半の白い霜を帯び いとも鋭い葉先をさし延べ わが力ない心臓の方(かた)をゆびさす

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日