よえ!
酔へ!

冒頭文

常に酔つてゐなければならない。ほかのことはどうでもよい——ただそれだけが問題なのだ。君の肩をくじき、君の体(からだ)を地に圧し曲げる恐ろしい「時」の重荷を感じたくないなら、君は絶え間なく酔つてゐなければならない。 しかし何で酔ふのだ? 酒でも、詩でも、道徳でも、何でも君のすきなもので。が、とにかく酔ひたまへ。 もしどうかいふことで王宮の階段の上や、堀端の青草の上や、君の室の陰惨な孤独の中で

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日