じんこうてんごく ジェイ.ジー.エフ.に
人工天国 J.G.F.に

冒頭文

親しい女よ、 良識(ボンサンス)はわれらに告げて居る、地上のものは殆んど存在してはゐない、真の現実はたゞ夢の中にあるのみだと。自然の幸福を消化するためには、人工の幸福に於けるが如く、まづそれを嚥み下す勇気を持たなければならない。しかも、この幸福に価する人々は、人間の考へてゐる至福が常に吐剤の効果を呈するが如き人々に限られて居るのだ。 人工的快楽の記録が、最も自然的な快楽の最も普

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日