けいかく
計画

冒頭文

彼は淋しい大きな公園を散歩しながら独言つた、「あの女が襞の一杯ついてゐる贅を尽した宮廷服を着て、美しい黄昏(たそがれ)の中を、広い芝生と泉水に向つた宮殿の大理石の石段を降りて来たらどんなに美しいだらう! なぜといつて、あの女は生れつき王女の風があるからな。」 少し経つて或る街(まち)を通りかゝつたとき、彼は一軒の版画店の前に立止まつた。そして紙挾の中に熱帯地方の風景の版画を見付けて独言つた、「い

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1984(昭和59)年10月1日