エニィ フェア アウト オブ ザ ワールド
ANY WHERE OUT OF THE WORLD

冒頭文

人生は一つの病院である。そこに居る患者はみんな寝台を換へようと夢中になつてゐる。或るものはどうせ苦しむにしても、せめて煖爐の側でと思つてゐる。また或るものは窓際へ行けばきつとよくなると信じてゐる。 私はどこか他の処へ行つたらいつも幸福でゐられさうな気がする。この転居の問題こそ、私が年中自分の魂と談し合つて居る問題の一つなのである。 「ねえ、私の魂さん、可哀さうな、かじかんだ魂さん、

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日