ひかるせいぶつ
光る生物

冒頭文

一 序言 光る生物と言へば又、例の『不知火』の話だと早合點をする人があるかも知れない。しかし所謂『不知火』の話は、あとで精しく書く。こゝでは已に學者及び世人に知られてる動植物のことを書いてみたいと思ふ。 と言ふのはこれから夏になれば、山か海に出掛ける人々が多くなる。それで夜中の散歩に、人魂、狐火、さては鬼火等に出會ふ人があるかも分らない。もしあつたら一つ度胸を据へて、冷靜に觀察

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「九州日報」1919(大正8)年4月16日~19日

底本

  • 光る生物
  • 自然科學叢書、越山堂
  • 1923(大正12)年3月6日