おりおりのき
折々の記

冒頭文

序 ことばは少く、文はみじかいほどがよい。 しかも意ふかく、餘韻あればなほさらよい。しかるに至らざるわたくしの如き、とかく冗語多く筆をもてば更に長きに失し易い。ここにはその無用をのぞいて簡を旨としたつもりであるが、もとより菜園の新味あるではなく、珠中より珠を拾つたものでもない。一書にまとめるこころもなく、あちこち稿勞の餘暇に書きこぼした寸想寸墨に過ぎない。しかもきのふのことば今日にあたらず

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 折々の記
  • 一家言叢書、全國書房
  • 1942(昭和17)年5月10日