よるについて |
| 夜に就て |
冒頭文
Ⅰ 凡そ人は夢のなかに氣ままにしのびいることの出來ないたちのものである。それは夢といふものが、シヤボン玉に似て、無理になかへおしこまうとするとやぶれてしまふからである。 ところが、ゴンゴンといふ者には、その不思議が出來た。 これは、彼の夢物語であるが、それを諸君にお傳へしよう。 A—— それは、にぎやかな町であつた。多分、夕方であつたのであらう。靄のやうなものがうつすら流れてゐた
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「椎の木 第5巻第2号」1936(昭和11)年2月号
底本
- 立原道造全集 第3卷 物語
- 角川書店
- 1971(昭和46)年8月15日