ようしょうのおもいで
幼少の思ひ出

冒頭文

今から二十年あまりも前の事である。ロンドンからエデインボロウに向ひ、グラスゴーだのリバプールだのを経て、ロンドンへ帰るまでに、沙翁の故郷であつたストラツトフオード・オン・エボンへ立ち寄ることにした。途中の田舎町で、汽車の乗り換へを間違へたりして、まごまごしてゐた。それで、田舎の停車場にゐた学校帰りらしい数人の女学生に、ストラツトフオードへ行くには、どの汽車に乗つたらいゝかと訊くと、「それは今度此処

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻44 記憶
  • 作品社
  • 1994(平成6)年10月25日