おりおりのき
折々の記

冒頭文

折々の記 世の“名ヅケ子” 子が生まれる。子の命名が夫婦話題の悶着になる。いや、生まれない前からといつてよい。最初の子をもつ夫婦ほど、事は重大に考へられるらしい。思案にあぐねて、知己先輩へ「ひとつ、子どもの名を」と、世の幸福者に選ばれた人間のやうに、相好くづして、もちこんで來る良人もある。 ぼくなども、頼まれてはつい、世の幾十人もの、あかン坊たちのために、名づけ親とな

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 折々の記
  • 六興出版
  • 1953(昭和28)年12月25日