おこしょうこたろう
お小姓児太郎

冒頭文

一 髪結(かみゆい)弥吉は、朝のうちのお呼びで、明るい下り屋敷の詰所で、稚児(ちご)小姓児太郎の朝髪のみだれを撫(な)でつけていた。快よい髪弄(かみいじ)りで睡(ね)不足の疲れが出て、うとうとと折柄膝(ひざ)がしらを暖める日ざしに誘われながら、い睡(ねむ)りをつづけていた。 頸(くび)すじが女のように白くたわわになり、梳(す)き手の揺れをつたえるごとに、弥吉の手ごたえを重くした

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 書物の王国8 美少年
  • 国書刊行会
  • 1997(平成9)年10月15日