なぜさくとうをこころざしたか
なぜ作陶を志したか

冒頭文

なぜあなたは陶器を作るようになったか、とよく人から訊ねられるが、自分は言下に、それは自分の有する食道楽からそもそもが起こっていると答える。自分は幼年の頃から食味に趣味を持ち、年と共にいよいよこれが興趣は高じて、遂に美食そのものだけでは満足出来なくなってきた。 おいしい食物はそれにふさわしい美しさのある食器を欲求し、それに盛らなくては不足を訴えることになる。ここに於て自分は陶磁器及び漆器、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯山人陶説
  • 中公文庫、中央公論社
  • 1992(平成4)年5月10日