しろいくも
白い雲

冒頭文

一 みんなは、なにかすてきに、おもしろいことがないかと、思(おも)っているのです。敏(とし)ちゃんも、もとより、その一人(ひとり)でありました。往来(おうらい)で、義(よっ)ちゃんや、武(たけ)ちゃんや、かつ子(こ)さんたちが、集(あつ)まって、なにか見(み)て笑(わら)っています。 「なんだろう?」と、敏(とし)ちゃんは、走(はし)ってゆきました。 義(よっ)ちゃんが、真(ま)っ黒(くろ)な

文字遣い

新字新仮名

初出

「お話の木」1937(昭和12)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 11
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年9月10日