びしょくたさんきのはらがまえ |
| 美食多産期の腹構え |
冒頭文
心のおもむくままに、いつも美味いものを食って、心の底から楽しんでみたい。朝も昼も晩も。犬や猫のように、宛てがい扶持の食事に、その日その日をつづけることは、肉体は生きられるとしても、心の楽しみにはならない。心に楽しむ料理なんて考えても縁遠い。食って生きて行きさえすれば、それで結構なんだ。安価で栄養価値のあるもの、それで充分じゃないか、今の世の中はと。エネルギーのない多くの人々はこれを常識として、栄養
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 魯山人味道
- 中公文庫、中央公論社
- 1980(昭和55)年4月10日