わかあゆのきひんをくう
若鮎の気品を食う

冒頭文

ぜいたくにと、ひと口に言っても、上には上、下には下の段々がある。若鮎を賞味できる人というのは上の上に属する。丹波の秀山、和知川などの若鮎と来てはたまらない。 第一姿のよさに魅せられる。すばらしい香気に鼻がうごめく。呑口は一杯やらずには納まらない。頭から尾先まで二寸から二寸五分というくらいの大きさが若鮎の初物で、その小味はたとえようもない。若鮎には気品の高さというものがある。その気品の高さ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯山人味道
  • 中公文庫、中央公論社
  • 1980(昭和55)年4月10日