このごろ田の中で、からからからからと歯切れよく鳴く声が、ときに盛んに、ときに烈しく聞える。ある者はたにしだと言って、たにしの声を知ることに鼻うごめかし通がる。なに、あれは蛙だと、うそぶく。この争いは毎年毎年その季節になると、毎日のように誰かがやっている。嘘と思うなら壺の中にたにしを入れ室内に置いて見よと言うが、さて、それをわざわざ試みるほどの物好きもない。しかし、蕪村の句と伝えるものに、こんなのが