かじつしょうみ
夏日小味

冒頭文

夏の暑さがつづくと、たべものも時に変ったものが欲しくなる。私はそうした場合、よくこんなものをこしらえて、自分自身の食欲に一種の満足を与える。 雪虎(ゆきとら)——これはなんのことはない、揚げ豆腐を焼き、大根おろしで食べるのである。その焼かれた揚げ豆腐に白い大根おろしのかけられた風情を「雪虎」と言ったまでのことである。もし大根おろしの代りに、季節が冬ででもあって、それがねぎである場合には、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 魯山人味道
  • 中公文庫、中央公論社
  • 1980(昭和55)年4月10日