いえをもつということ
家を持つといふこと

冒頭文

自然と人生と、二つは向き〳〵に進み、又時としては抗立相剋せんとするものゝ如く思ふ人が、此頃多くなつたやうに感じられる。如何なる世が来ても草木は依然として美しく、うたゝ国破れて山河在りの句が口ずさまるゝのみならず、或はほゝゑんでこの世上の悩みを、視て居るのでは無いかと思ふやうな折も有る為に、人はたゞ何と無くそんな気になるのかも知らぬが、又一つには近頃やゝ久しい間、人生を自然の現象の片端と観ずる練修を

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆83 家
  • 作品社
  • 1989(平成元)年9月25日