ぶくぶくながながひのめこぞう
ぶくぶく長々火の目小僧

冒頭文

一 これは昔も昔も大昔のお話です。そのじぶんは今とすっかりちがって、鼠(ねずみ)でも靴(くつ)をはいて歩いていました。そして猫を片はしから取って食べました。ろばも剣をつるしていばっていました。にわとりは、しじゅう犬をおっかけまわしていじめていました。 こんなに、何(なん)でもものがさかさまだったときのことですから、今から言えば、それこそ昔も昔も大昔の、そのまたずっとずっと昔のお話で

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 鈴木三重吉童話集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年11月18日