としだなにまつるかみ
歳棚に祭る神

冒頭文

歳棚に祭る神 いわゆる三が日の本当の正月に対して、十五日を小正月と呼ぶ地方は多い。或は一方の年越を大年といい、小正月を特に若年という場処もある。そうして若木若餅の如くワカの名のつく行事が却って多くはこの方に伴なうのである。また小正月にも三が日五が日を算える例がある。十四日から二十日の骨正月までを、注連の内とした痕跡もある。十六日などは殊に大切な日であった。だから現在の松の内を、後に定まっ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆17 春
  • 作品社
  • 1984(昭和59)年3月25日