じゅうにかげつ
十二ヶ月

冒頭文

一月—— 凍てた空気に灯がついた 電線が口笛を吹いて 紙くずが舞上った 木の葉が鳴った スチュウがノドを流れた 二月—— 丸い大きな灰色の屋根 真白い平な地面 つけっぱなしのラムプが 低うく地に落ちて 白が灰色に変った 三月—— 灰色はコバルトに変り 白は茶色に変った 手を開けたら 汗のにおいが少しした 四月—— ごらん おたまじゃくしを 白い雲を そして

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻
  • 藤原書店
  • 2001(平成13)年11月30日